打ち込めるものも自分の居場所も迷走している美術系専門に通う女性は、ひょんなことからトルコ文化に触れ変わっていく青春系ドラマストーリー。
主人公の女性が占い師だと思ってついていったら監禁され身の危険を感じる、というところから始まる。蓋を開けてみれば、占い師と思った人物はトルコ料理店の店主で雇い人を直感で連れてくるというのが真相。その直感の理由は、主人公がトルコの装飾品をつけていたから。それらを説明してくれたのはその店でダンスを踊る女性店員だった。
主人公はその時点で、自分の立ち位置というか居場所が希薄というのもあり、彼らに押されてその店のウェイトレスのバイトをすることになり、トルコの食や文化に触れ傾倒していく。また主人公は美術系専門生でありトルコ文化の刺激が学業にもよい影響を与えていくって展開のよう。
主人公が持つペンダントにまつわる人間関係の過去、主人公にとってやっかいな人間、好ましい人間、様々な人間模様を絡めて等身大なその世代の心情がじっくりと描かれている。話の切り口というか見せ方が興味深い作品。
市川ラク
ビームコミックス全3巻 / エンターブレイン
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★★☆