主人公は霊媒体質で、異母妹をはじめとした周囲にはじかれ引きこもっていた。幼少時から密かにあるヒーローになりたいという感情に突き動かされ外に出るも、目の前に広がっているのは崩壊した街、そして人間の死体とさまよう霊たち。錯乱しがむしゃらに走ったところに、異母妹の死体と異母妹の霊に遭遇する。
そんな始まりから突如世界を壊した張本人たちが現れ、主人公は拉致され、己の置かれた現状を知る。彼が生かされたのにはその霊媒体質ゆえなのだが相手側もどう使えるか不明瞭なため人体実験のように蹂躙される。主人公が正真正銘、ただ一人の人類となり、他者の霊が入ることによりいわゆるヒーロー的な特殊能力が開花したであろうところで次へ続き、題名とリンクする。主人公が奮起するきっかけと力を解放する経緯の対比はある意味王道ながら印象的だった。早々に敵側の正体と目的を表面化した展開はちょっとはやった印象もあるが、主人公の特質上、整合性はある。絵はレベルが高く画面構成もアクション描写も申し分ない。
榊原宗々
カドカワコミックスエース全2巻 / 角川書店
ジャンル:少年・アクション / 好み度:★★★☆☆