そう言やのカナ 野村宗弘

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強面だが中身はいたって真面目で働き者の37歳の旦那と15歳年下の活発な嫁。彼らの日常や会話の中で出てくるのは旦那の昔話。広島のとある夫婦の生活とちょっぴり昔の逸話を描いたお話。
夫婦のなにげない会話などから、旦那がそれに沿った自分の昔の体験を聞かせるという枠があり、題名は、そう言えばなカナ(奥さんの名前)昔はこんなことが~という旦那の昔語りを話し出す方言からきているわけです。
顔は恐いが中身は優しい37歳の旦那さんはライン工でしたが不況で仕事を失い現在求職中。気立てが良くちゃきちゃき(古語)な22歳の妻は掛け持ちフリーターでしたが、ある日正社員になると言い出し、夫に自分のかわりに主婦(主夫)になってくれと言い出す。夫は、そういう年代もあるのか妻に外に働かせて自分が家に居ることにものすごく抵抗を感じるが・・といった夫婦の生活の話から、双方の実家を絡めた話など、田舎の家庭風景をそのまんま描写したようなタイトル。
関西・広島が舞台だからか、なんかほっとする雰囲気なんですよねえ。まあ著者の話はほとんどそうなのですが。旦那さんと同年代の人には、あったあったと懐かしく感じる人もいるかも。
旦那さんも奥さんも働き者で気質が良くてほんとにほっこりするキャラなんですよねえ。個人的に理想な夫婦像。旦那さんの、実家を支えて弟を公務員にしてって苦労人というか長男気質バリバリなところがツボでした。奥さんが旦那の実家のアイドルってのもなんか和んだよ。
1巻目は、高知の新聞に投稿されたケーブル工事にまつわる短編、携帯サイトに発表されたマリッジブルーになった女性の心情を独特のタッチで描いたシリーズも掲載されています。女性の話は枠取りが斬新で面白かったっす。

野村宗弘
ニチブンコミックス全2巻 / 日本文芸社
ジャンル:青年・コメディ/ 好み度:★★★★★