うさぎ装束・真夜中商店街・ニンピニンのおしゃべり・雪・ある男の手記・白い杯・ふしぎの本・カーテンコールを収録した著者の不思議幻想の世界。
うさぎ装束
閉鎖された街に死に到る病。かつて存在していたという「兎」が見えると徐々にその姿になりしまいには消える。うさぎはさびしいと死んじゃう、ということ。
真夜中商店街
昼の顔と夜の顔が違うその商店街を舞台にした2つの話。社の心優しい神様は拍手を打つ少年に惹かれ神から人へとおりる。もうひとつは白鳩の少年と鴉のお話。白鳩の婚活の話？
ある男の手記
明治か大正、そのあたりの私小説にありそうな、昔あったある恋の独白。
ふしぎの本
不条理で不思議、アメージングな一幕の連作。
不思議で幻想的で童話のようなせつない初期作品を含めたファンタジー短編集。浮世離れな絵本の世界のような独特の世界観に、夢のような緩慢な空気を漂わせた観念的な表現の物語。
初期作品にはいわゆるBL雑誌に掲載されたいたものも多く言われてみればそれな要素がある作品もありますが直球な表現はほぼ無く、今でも続く独特のファンタジー空間描写と不器用で切ない心情の切り口のほうが印象深いものばかりかと。感覚で読むタイプの作品群なので語彙のない私には説明が難しい・・。
釣巻和
リュウコミックス全1巻 / 徳間書店
ジャンル：青年・ファンタジー / 好み度：★★★★☆