ピラミッド建築時期の古代エジプトが舞台。ある営業の口車に乗りファラオは巨大な自分の墓の建設に乗り出す、というはじまり。古代エジプトの印象とかなり乖離した斜め視点のノリのナンセンス展開のギャグに面食らう。建築現場の末端労働者の勤務態度はダラダラで自分たちが何を作っているのかも知らされていない、なんなんだろうと疑問に思ったところで未来へ行って帰ってきたと言うおっさんがいろいろ語る、という展開とかもある。
ほんとにエジプトが舞台なだけで縛りなく思いつきで話を作っているかのような錯覚に陥るくだらなさがとても面白い。なんのかのと整合性はあるというか古代エジプトの要素をうまいこと取り込んでるんだけど。
ノリで生きててチャラくてチョロいファラオ、ピラミッドのセールスをする宇宙人、同僚の白い目にもめげずおっぱい型パンの制作に情熱を掛けるパン職人・・どのキャラも突き抜けた設定でバカ発言をくそまじめに語るキャラなのが良い。個人的にはタイムトラベラーのおっさんのエピソードが一番好き。
余談だが昔の見解ではピラミッド建設の労働は過酷というものだったが、実は過酷でも何でも無い普通の労働状況(もしかしたらこの話の状況に近いかも)だったってのが思いだされる。この話を聞いたとき王家の紋章・・と思ってしまったなあ。
青色イリコ
アクションコミックス全2巻 / 双葉社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★☆