アラフォー女性・岩谷ヨリは、結婚や恋愛に興味を失い、一人で静かに過ごしたいと東京から地元に帰り司書として働いていた。そんな中、イケメンで強引な青年が彼女の前に現れる。仕組まれたというか手の込んだ出会いのシチュエーション、柔らかな物腰ながら有無を言わせない強引さに、主人公は青年と肉体関係を持つに至る。
しかし主人公は肉体関係に至っても青年に本当の意味で自分の領域に踏み込ませない堅くなさ。微妙な関係が続く中、その青年の素性が徐々に明らかになる。幼少時に主人公と出会っており当時の姿から周囲と浮いていた彼は主人公の優しさに触れ以来主人公を心の中に住まわせていた、そしてすでに良家の子女と結婚しているがその奥方は主人公と瓜二つという。メンタルクリニックの医師だから心理を読むのがうまいという設定も絡めてるのかな。彼は主人公を頑なにしている呪いをとく王子になるのか否か、なのかな。そんな単純なものじゃないか。
脇役として主人公とある意味真逆な女子力高めの明るい気質の妹もおり、題名からか、物語においての重要なファクターとなるかかもしくは客観的に事態を見守る眼の役割かになりそうな。
昔から主人公が好きで、既婚である今になって熱いアプローチをするならなぜそれまでに接触しなかったのかとか疑問はあれど、奥方の背景や主人公の語られていない過去から予想はできそうではあります。とにもかくにも不器用というか不毛というかグダグダというか。ある出来事から青年の妻もなにかしら感じ取っておりいろんな意味で濃くもややこしい大人の恋愛が展開されるのかなあ。著者のカラーで物語の雰囲気自体は茫洋としているのだけれど。どう話が転がっていくのか気になるのは確かでこの構成はやはりうまいなと。
西炯子
フラワーコミックスα 全８巻/ 小学館
ジャンル：女性・恋愛 / 好み度：★★★★☆
最後の最後で、ここにきて状況が二転三転するのかって感じでちょっとびっくりしました・・。