主人公の青年は在学中の論文が認められプロジェクトを立ち上げるが研究途中で不況のあおりをくらいスポンサーが降りてしまう。規模が大きいゆえに資金が足りなくなり業を煮やした主人公はドロップアウト、日本に帰国する。そして恩師の紹介で女子校の教師になるがその学校は前任者が不祥事を起こした直後だった。
外国の大学でスキップ進級したので主人公は19歳で教え子とさほど年が変わらない、しかし外国の大学で揉まれた故か日本に住む同年代よりはしっかりしており論理的客観的に事態を見る能力を持つという設定。熱血なごり押しタイプでもなくボンクラでもないブレていない気質がすごくツボでした。理想の教師だよなー。
教師のほかに、彼と関わりを持つことになる2人の女子高生にも焦点があてられています。一人は教師と同じく物理分野に特化した頭脳を持つ少女、もう一人はモデル業を望む少女。どちらも気負って見せるところはあれど純粋な気質で好印象。
2人とも、いや教師を含め3人とも夢を持っているけれど現状ではそれを叶えるにはけっこうな壁がある、という共通点があります。そのへんのバックボーンを提示しつつ、教師と生徒2人が体験する様々な出来事や事件を共有することによる心情の変化や描写を描いていっている模様。
単なる学園ラブコメかなーと思っていたらかなり地に足がついた内容で読み応えという点で思わぬ得をした気分に。突出した才能がある登場人物たちが現状という殻から飛び出せるかという展開に魅力を感じました。
竹葉久美子
電撃コミックス全6巻 / アスキー・メディアワークス
ジャンル:少年・学園・ドラマ / 好み度:★★★★☆