ヒメとトノ 蛇足せんたろう

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中学時代女の子なのに戸野と書いてトノ、男の子なのに御姫(ヒメ)という名前がきっかけで親しくなった2人。高校は離れたものの、放課後には会っているという関係。
トノさんはヒメさんが好きだけど面と向かう時はきつい言葉とかツッコミを入れてしまい、一人になると自分の行動を思い出しじたばたし、相手を思ってじたばたし、という思春期の純情な女の子そのもの。態度が内と外で違うのでツンデレとも言えますが、シチュエーションだけに頼っていないキャラつくりが特徴。
トノさんはドーナツが大好きという設定を付けて、高校が離れた2人が放課後に合わせる舞台をつくり、少年を
軽いエロ少年という設定で嫌味のない萌え要素を組み入れ、一歩踏み出せないトノの相談相手としてヒメくんの女友達を配置しより話に深みを持たせている模様。新キャラを登場させるときは名前がちぐはぐという設定をうまく使っています。
心情描写がストマン並みに深く、いつの間にかヒロインに共感してしまう演出がツボでした。やはりトノの好きな相手に対する感情揺れ動く女心の描写が秀逸。男性向け萌え要素としては健康的(?)なエロ妄想を描写することにより軽いノリで描いていますし、ヒロインと女友達とのガールズトーク描写も軽快で的を射た内容。
4コマの場合はキャラ設定だけでまわしてしまう場合が多いですが、こちらは血が通ったストーリー勝負、という印象を受けます。色っぽいというか萌え狙いのような表紙なので期待していなかったのですが予想外に当たりだったタイトル。

蛇足せんたろう
まんがタイムKRコミックス全2巻 / 芳文社
ジャンル:4コマ / 好み度:★★★☆☆