ラノベ原作、実写映画化にあわせてのコミカライズ。10年前に監禁されたトラウマで感情が不安定の少女まーちゃんと、彼女と同じ場にいたみーくん。時を経た現代で起きる通り魔の出没と小学生の姉弟の誘拐。過去と現在の事件と彼らの関わりと望みと行動が絡み合うサスペンスミステリ。
往々に血なまぐさい展開、常軌を逸した状況とその後の主要キャラの心理状態。語り手である「みーくん」はほぼ全ての状況を把握していて、彼の視点と語り口で読み手に少しずつ謎が空かされていきます。といってもミステリサイドから見ると二転三転な印象。そして最後に種明かしという構成。構造としてはロジックパズルのようでした。話の肝は根深い人間模様と心理描写なんだろうけど。「みーくん」がまーちゃんに関わる理由は考えるとせつないなあ。
思春期の少年少女が主人公なので青春系な雰囲気もありつつもがっつりサイコサスペンスでした。奇をてらっているように見せかけて実は緻密な話というのは好み。
原作:入間人間 / 漫画:佐藤敦紀
角川コミックスエース全1巻 / 角川書店
ジャンル:少年・ミステリ / 好み度:★★★★☆