七月の骨 吉田聡

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1981年。20歳の青年・時田は、役者や音楽など自分の道を歩き始める周囲を眺めつつも一歩踏み出せずにいたものの、ある日漫画の道を進むことを決意する。おそらくは著者の自伝の漫画家物語。
周囲が各々の理由で道を定めていく中、迷いつつも中途半端から脱却し漫画家を目指すことに。主人公が停滞しうだうだ考えているころの自問自答というかモノローグはけっこう深い。考え方とか全体の雰囲気がちょい昔だなあと思ったけどよく考えたら80年初頭の話だからあたりまえだった。
いざマンガを描き始めるも慣れなくてぐだぐだな仕上がりになったり憤ってみたり。著者の自伝的な話ゆえか劇的に変わるような展開はなく、迷ったり焦れたりと手探り状態で進む展開が印象的。男くささとか熱さとかと同時に、自分で決めたとはいえ成功するか否か不安定な行程を進む描写がやはりリアル。

吉田聡
ビッグコミックススペシャル全6巻 / 小学館
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆