世紀末もひと段落しつかの間の休息を味わうため人間界の日本の地におりた東洋の聖人ブッダと西洋の聖人イエスのゆるゆる下界ライフを綴ったコメディストーリー。
２大宗教のトップが下界にバカンスすることに。その内容は日本のボロアパートに居を構え人間の暮らしを楽しむこと、という状況設定。ゆるっとしたコント調なノリでもって宗教ネタを人間の日常生活とリンクさせるという神業が見事。こういう構成は日本だから可能なんだろうなー・・。
庶民というか小市民的認識と聖人らしい柔軟で器の大きな思考展開のギャップによる、お気楽かつ和みを内包した２人のボケツッコミな会話がツボ。基本的穏やかな２人と妙にテンションの高い彼らのスタッフたちのやりとりや、やくざさんの勘違いがピタッとハマっているネタも絶妙です。２人の嗜好や行動や趣味も元ネタをうまくアレンジしているあたりもうまいなと感じました。
笑えて楽しめて、さりげなく彼ら自身や彼らの教えの歴史も学べる１粒で二度おいしいタイトル。笑いの種類が大笑いというよりクスリと笑えるタイプってのがまた取り扱うテーマとあっいてる気がします。
中村光
モーニングKC１～ / 講談社
ジャンル：青年・コメディ / 好み度：★★★★★おすすめ