目を合わせると相手のほんの少し先の未来が見えるため伏し目がちの少女ミツキ。彼女のとなりに座ったのは他人がしゃべったことが嘘かどうかわかる少女アカネ。そんな2人が出会ったことから始まる奇妙な学園コメディ。
ミツキとその知人が交わした会話を何気に聞いていたアカネ。知人に思わず未来の暗示を言ってしまい占いとごまかすミツキの言動を見てアカネは彼女に興味を示す。特殊能力を有した2人が出会う話ですが、かといって大仰な展開にならず、あくまでありふれた日常内での能力を活かしたエピソードが展開されています。
人に言えない特殊能力を持つ故に互いとの間合いを探りつつ親しくなる彼女たち、知り合ってからしばらく後、鏡越しに自分の未来を見たミツキは将来の相手として同級の男子生徒の姿を認識する。未来を知ったことにより意識してしまったミツキのためにアカネは2人を結び付けようと奔走するという流れに。
心理ロジックのような不思議な展開、どのキャラも自己主張がないわけではないがさほど熱心でなかったりベクトルがずれていたりといった妙が入り乱れた奇妙な感覚が魅力。
ほとんど動かない画面なのにバリエーションがあるというか独特の静の間があるというかで、他にない独特の空気感が興味深いタイトル。
桜場コハル
講談社コミックスDX全6巻/ 講談社
ジャンル:少年・学園 / 好み度:★★★★☆