乙嫁語り 森薫

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時は19世紀ごろ。20歳の花嫁アミルと12歳の花婿カルルクの新婚夫婦を中心に、中央ユーラシアの遊牧民の暮らしとドラマを描いたオリエンタルストーリー。
若干12歳の跡取り息子のカルククの元に嫁いだのは8歳年上の姉さん女房のアミル。彼らの結婚式の後、祖父母、両親、姉家族、居候の学者などが一緒に住む家での暮らしなどをゆったりと描き、アミルの実家の老人たちが土地問題でアミルを連れ戻そうとしている懸念という伏線を挿入しています。
写実的で手抜きのないまさに入魂を感じる丁寧な作画、清涼な空気感、新婚夫婦の初々しくもほっこりとするやりとりなどが見所か。いやーこの書き込みっぷりとラブラブ(笑)度は愛としか(笑)
主人公のスキルの高さがかなりツボでした。好きな要素を詰め込めるだけ詰め込んだというあとがきに納得。姉さん女房で乙女でお嬢様で料理うまくて狩りもうまくて一途で・・と本当に隙がない。いい嫁さんもらってカルククがうらやましいとさえ(笑)
あと中央アジアの美しい衣装が細やかに描かれているところも好き。これだけでも読む価値ありかと思われ。
1巻目は日常描写が大半ですが、歴史的背景と実家の伏線から徐々にドラマチックになっていくのかな~。

森薫
ビームコミックス1~ / エンターブレイン
ジャンル:青年・夫婦・日常 / 好み度:★★★★★おすすめ

その昔最終戦争シリーズ(山田ミネコ著)で中央アジアの煌びやかな衣装に魅了された幼い頃がフラッシュバックされました。そういや中央アジアの服や装飾の図鑑も買ったことがあるっけ・・。懐かしい。