クラスでも大人っぽいと評判の田中彼方と吉川和樹。当人たちはその自覚はないものの周囲の期待に合わせ落ち着いた雰囲気を纏い振舞っている。実は2人は幼馴染の関係であり2人きりのときは昔から変わらず無邪気に肩の力を抜いて接していたし周囲が言うほど小学生のころと変わっていないと思っていた。しかしお互いひょんなことから相手が本当に「大人っぽく」変化していることに気づいたことから2人の関係はゆっくりと変化していく。
幼馴染同士の互いを意識しだす恋愛のはじまりとか気持ちの変化とかが主題だと思うのですが、2人とも基本的に素直というか変に突っ張るタイプではないためか極端な変化はなく流れる水のような印象を受ける展開。思春期の恋愛ものにしてはめずらしい設定なのかな。
うーんやっぱうまいなあ。ちょっとした仕草や行動にドキッとしたり新しい発見をしたり、大人っぽいという言われ意識して態度を作ったり、可愛いというか初々しいというか甘酸っぱいというか、ああいいなあと。
著者のこういうさりげないなんでもないやりとりの描写がツボなんですよねえ。
水谷フーカ / 白泉社1~
ジャンル:少女・恋愛 / 好み度:★★★★★