入学祝に買ってもらった新築マンションに一人暮らしをする女性・カコ。真夜中に部屋の冷蔵庫を開けると突然見知らぬ少年が飛び出してきた。彼の名はミライといい、50年後の未来の人間だと言う。
いわゆるタイムスリップもの。カコとミライは血の繋がる者同士、いわゆる先祖と子孫の関係のよう。そしてなぜ冷蔵庫からという謎を探るうちどうもグレープフルーツの香りが元になっていることがわかる。
ちなみにカコの部屋はミライの時代ではぼろアパートになっており、50年後の東京は砂漠化しており水が貴重品という設定。まさに東京砂漠・・ってやっぱり作中でも言ってるや。
原因がわかった時点でカコとミライは過去と未来を行き来し干渉しというあたりでお約束のタイムパラドックスの要素も出てきたり、でSFものとしてはそれなりにこなれた構成かな。
とはいえSF要素よりもやはり主題はその状況によって生み出される人間の描写。独特の雰囲気とさりげない演出から登場人物の心情や選択の描写が印象的なタイトル。
今日マチ子
フィールコミックス全1巻 / 祥伝社
ジャンル:女性 / 好み度:★★★★☆