吸血鬼に憧れる田中さんは、田中さん家の蔵の遺品から佐藤くんが吸血鬼だと知り、彼が転校してきたときから追いかけている。そして佐藤くんを家に呼んだことから祖母が佐藤君の想い人だと判明する。
祖母が年を取り連れ合いもいない今今度こそ自分の手を取ってくれると想っていた佐藤くんですが、あえなく撃沈。以後、佐藤くんと田中さんの距離はそれなりに縮まった・・のか？という始まり。
田中さんが佐藤くんを追いかける一見ラブコメなパターンが基本かな。その中で、佐藤くんは田中さんの祖母のほかにも振られた相手がいたりけっこう気が多いタイプというのも発覚・・って複数の恋愛経験はまあ普通だろう。ただ何十年もしつこく忘れずに想っているのはないだろうが。
吸血鬼自体に焦点をあてた話というより、時を越えて生きる者と寿命のある者を通して、生きるということをテーマにしているような。吸血鬼という要素はあくまでそれを描写するための手段ではと感じるほどに、吸血鬼ものというよりドラマとかラブコメ要素が強い内容。佐藤くんが吸血鬼らしくないキャラというのもあるのか。
著者のテイストで軽めなドラマコメディはけっこう久々でやっぱ独自の空気があるよなーとしみじみ。日常会話のテンポはラブレスに近いけど。
余談ですが、巻末にでもヴァンプシリーズを収録してくれないかなあと希望してみたり。いやほら一応吸血鬼ものという共通項があるしさあ・・。
高河ゆん
ゼロサムコミックス１～ / 一迅社
ジャンル：少女・コメディドラマ / 好み度：★★★★☆