相思相愛の夫を・鉄男こよなく愛し、ナルシストな男友達・木村を大切にするミホ。ミホにとっては木村は男の親友以上の気持ちはないが、実は木村はひそかに片思いだったりするのだが・・。
冒頭はヒロインたる人妻・ミホの回想から。幼き頃、母への年賀状に男性の名前はないことから、ミホは大人になっても男の友達がいたらいいなと漠然と感じた。それから22年後ミホは大人となり結婚をしラブラブな温厚旦那がいるが、親しい男友達も持っている。
ミホにとっては、男友達の木村は恋愛感情抜きのまじりっけなしの親しい友人。が、木村のほうは実はミホに恋愛感情がもともとあったものの告白のタイミングを逃しており、ミホが結婚したからとて離れがたく友人というポジションを保ったままずるずるとつきあっているという状況だったり。ミホは木村の心情を知る由もなく、読者側から見ると無知ゆえの残酷というか木村が哀れに感じられてしまうという。
一方夫となった鉄男はぴったりタイミングが合って結婚に至ったわけで創作とはいえこういうのを見ると結婚てやっぱ運だなと思う。
木村の空回りや軽く夫婦の危機的状況を綴ったせちがらくないけどちょっとせつないお話。木村のぐるぐるなモノローグや、鉄男のやっぱりちょっとだけ複雑な心情とか、ゆるぎないと信じたものがちょっとぐらついて晴天の霹靂をうけたミホとか、登場人物の所作が印象的なラプソディ。
逢坂みえこ
講談社コミックスDX全1巻 / 講談社
ジャンル：女性・ラブコメ / 好み度：★★★★☆