三条宝は公立から名門女子校に編入することに。はしかで一週間遅れで学校に行ってみると、女子と偽って通う男子たちで構成された生徒会のメンバーに放りこまれていた。由緒正しきお嬢様学校を舞台にした学園コメディ。
主人公の女子は、庶民育ちだが公立から名門女子校に通うことになるが、転入草々はしかにかかったことにより予定より一週間遅れで学校に。で、その間に生徒会の書記にさせられていた、というはじまり。
しかしてその生徒会の面々と言うのが、どうみてもゴツイ男子。女装してるけど。スカートはいてるけど。なぜこんなことにと聞くと、各々の親の都合?で女と偽って女子校に通うよう言われて素直に通っているとのこと。
周囲ももちろん彼らが男子とわかっていて素知らぬふりをしておもちゃとして遊んでいる、当人たちはばれていないと思っており、ばれないように振る舞いや口調、女性になりきっているといった具合。主人公はその茶番に巻き込まれたというかんじ。
TSを謳った雑誌掲載だからテーマにはあっているけどさすが著者。斜め上の設定で冒頭から思いっきり引きこまれてしまいました。性別を偽っての学園生活、という王道設定をひねってこねて全く別の形にしたこのセンス。
主人公を含めた生徒会の面々はいじられているけれどもいじめられてはいないので、主人公受難タイプの話なんだろうけど、なんとかうまくくぐりぬけたオチばかりというのもあって、鬱な気持ちにならず、とても面白かったです。
生徒会の面々は基本的に育ちが良いからかいいように遊ばれていたり利用されたりしていても、そう感じていないところが、奔走する主人公も機転がきくというかうまいこと切り抜けるタイプなので、読後感がとてもよかったです。さりげーに恋愛フラグ的な要素もあったし、最後のエピソードのオチでは、正統派三角関係ラブコメが匂っていました。このへんを詳しく見てみたいなあと個人的には思いました。絶対無理だけど。
設定的にも絵面的にもものすごく濃くてマニアックなので誰にでもおすすめしがたいところなのですが、読んでみて欲しいです。笑えます。
六道神士
TSコミックス全1巻 / 少年画報社
ジャンル:青年・TS・学園 / 好み度:★★★★★