未必の恋 シギサワカヤ

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婚約者のいる女性と既婚者の男性のどうしようもない営みと心情の吐露。短編箱舟の行方の二人の以前の逸話とその後の2人の物語。
短編集・箱舟の行方の表題作の続編。箱舟の行方を起点とするならそれ以前のエピソードとその後のエピソードを収録した内容。
飄々としてつかみどころがない既婚者の青年・笹原と彼になにかとちょっかいをかけられるというか話しかけられるというかな女性倉田。笹原の家庭事情が結構詳しく出ててあの笹原の気質の素となっているなあと納得の設定が出てました。
にこにこ笑ってえげつないってわけじゃないけどひんまがってる笹原の微妙な言動とか、主人公もそんな笹原を危険とみなしつつずるずるとアリ地獄のように惹かれていく過程とか、二人のグダグダな体と心の交流とか。
あいかわらず艶めかしく魅惑の廃頽感が半端ないなあ。
1巻分のふたりの話は、停滞という言葉、もしくはぐるぐる同じところを回っている感しか感じなかった。どうしようもない恋ってやつを経験したことがないからなんだろうけど。
なんども言うけどこの話を読むと振り向いたときにそこに見える階段を数えたことがあるだろうかという歌がぐるぐる回るよ。

シギサワカヤ
白泉社コミックス楽園 全1巻 / 白泉社
ジャンル:女性・恋愛 / 好み度:★★★☆☆