悪魔メフィストフェレスの体のパーツを探す不死の少女と彼女と寄りそう悪魔当人、そして探索の途中に出会った少年の旅の物語。
欲深き男は定められた死の時まで言うことを聞くという悪魔との契約をなし、吹き放題の結果、死を迎えるはずの日に悪魔に首を折られて死んだという昔話が、物語の根幹を担っている。実際在る「ファウスト」の物語を基盤にそのあとのことを描く、というのが興味深い物語。
その欲深き男・ファウストの生まれ変わりである主人公の少女は、ばらばらの場所に移送された悪魔メフィストの体のパーツを集める旅をしており、その道中で1人の少年と出会い以降は行動を共にする、というはじまり。
3人の旅の行程と、主人公はパーツを集めて悪魔を作るのが目的のため教会の異端審問人とぶつかる過程が軸となっている模様。ファウストとして犯した罪は罪なのか、伝承はすべて事実かなどいろいろな問題提起を示しつつ、主人公の目的の理由とか教会側の画策とか、良い感じに謎と伏線とドラマとテーマが描かれています。
物語の秀逸はもちろんですが、主人公の体の設定とか悪魔の口調とか細かい設定が個人的にツボにはまってしまった作品。
ヤマザキコレ
KCX(ITAN)1~ / 講談社
ジャンル:ファンタジー・ドラマ / 好み度:★★★★★