商店街の中にある郷愁の名を持つ喫茶店。女性店主と従業員2人とお客さん。待つ人訪れる人、店内でのある一幕などを描いた物語。
ある喫茶店を舞台にした物語。喫茶店店主の女性は、マナーの悪い客に注意するし、おいしくないと思うメニューは出さない、こどもと対等な目線で喧嘩をする、キャパシティ以上のサービスは断る。おおよそサービス業向きとか癒し系とかと正反対の、一本芯が通った職人タイプ。とはいえ彼女の言動は、相手を思っての正論でもあり、情が薄いわけでもなくむしろ深い。
待ち合わせや交流に使われる喫茶店ならではのエピソード、そして店主自身もある人をずっと待っているという設定が巧い。劇的でないごくありふれた日常の一幕的な内容がまた世界観とよくあっているかと。
サービス業らしかぬ気質の店主に対し、店主にダメ出しするアルバイトとレストランをやめてきた調理スタッフというスタッフを配置し、彼女たちの飾らない自然体なやりとり、そしてバイト女子の身内で店主とは真逆のタイプの女性とのやりとりも見所の1つか。繕い断つ人と同じ世界観のよう。
池辺葵
講談社コミックスDX2巻 / 講談社
ジャンル:女性・ドラマ / 好み度:★★★★★