ぢごぷり 木尾士目

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18歳にして母親となった姉、姉を助け共にすむ双子の妹。新生児に翻弄される姉と妹の育児地獄を描いた物語。
母親である姉は、今は亡き愛する父親との結晶を大事に育てようとするも、夜泣きやもどし、2時間ごとの授乳などで完璧主義の性格も災いし徐々に疲労がたまり、ピークに達したとき赤子に対し罵倒したりと行動が怪しくなってくる。同居する妹は姉の変貌振りにとまどいつつも活路を見出すため試行錯誤を繰り返すという展開。
いきなり病院から帰った新生児を抱いた姉とその妹がアパートで同居、という場面からはじまるので、父親は?両親は?という疑問が出てくるのですがそれは後半に語られる模様。
実録日記ではなくフィクション育児漫画ですが、その内容はかなりリアルというか鬱展開全開というか。子育てのダーク部分をオブラートに包むことなくさらけだしているという感じ。
母である姉は子供を愛する気持ちと面倒だ、手間がかかって可愛くないという気持ちのせめぎあい、気持ちが沈んで罵倒したかと思えば明るくなってみたり、この状態の変遷がリアルすぎる。
とはいえにっちもさっちもいかない状況描写ばかりでなく状況を打開する試みのエピソードも多いですが。
あと特徴的なのは赤ん坊の顔がかなり写実的。母親たちを含めほかのキャラは漫画的キャラデザなのに・・。これはやっぱり物語により現実味をおびさせるためなのか。
休むことのない試行錯誤の連続の毎日。生々しすぎて引くって人もいると思いますがこの漫画はアリだと思います。しかし赤子がよちよち歩きする前にあっさり終了してしまいました。ネタ切れなのかウケが悪かったのか。

木尾士目
アフタヌーンコミックス全2巻 / 講談社
ジャンル:青年・子育て / 好み度:★★★★☆

これを読むと知人の子供を産んで1年ほどの状態を思い出す。町でばったり会ったときあのおしゃれな人が山姥のような姿だったときの衝撃。子育てって大変なんだと漠然と感じたあの瞬間。