由樹は高校からつるんでいる男友達・祥の影響から、言動も服装も男子のようで、周囲からも男子のように扱われている。そんな彼女は自分を女性と認識するため、彼女が持つ唯一のスカートである征服を着て秘密の儀式を行っていた。
17歳と偽り援交を重ねる未果子は由樹に純然たる少年性を求め由樹の唯一の存在になりたいと願い由樹の周囲の男を取り除こうとする。
表の顔は由樹にふざけて絡む遊び人の桂人は、実は女装嗜好で未果子の女性の姿に憧れ彼女と同じ姿をして街を歩く。あと由樹が女性らしくなれない要因たる祥が主な登場人物。
彼らはすべて同じ大学に通う学生。他者にいえないこと、歪んだものを抱えている。主要人物が複雑な相関で、一見何気ないキャラの行動が、ほかのキャラに影響を及ぼしたり誤解が曲解を生んだり、というトレンディドラマのような展開。
各々の心情描写、特にセクシャル面での苦悩や思いのモノローグは根深いというか生々しくて惹き付けられます。どろっとした恋愛というより、個々人が自分の性なり恋愛なりの在り方と対峙するというところに重点を置かれているような気がします。
峰浪りょう
ビッグコミックス全8巻 / 小学館
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★★☆