桃色サバス 中津賢也


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事故に遭うが生来の丈夫さと悪運の強さで生きてきた高校生・魔道玉吉の前に、魔力は皆無だが怪力を持つかわいい魔女カゴメが現れる。玉吉の不幸は、魔神ベルゼビュートの魂の一つを持って誕生し、それゆえに早死にする呪いをかけられたためだと言う。カゴメは、玉吉にボディーガードを申し出るが、実はカゴメは魔神の刺客であった。しかし玉吉の情にほだされ、カゴメは本当にボディーガードをすることになる......。
玉吉とカゴメとゆかいな仲間たち(笑)の織り成す学園ラブコメものといったところでしょうか。玉吉を巡って登場する脇キャラは実に個性豊か。主人公たちのみならず脇を固めているキャラの魅力がこの作品の後醍味といえます。ストーリー展開の基本は良く見られるパターンながら、ひねりもきっちり入っているためマンネリを感じることがありませんでした。設定が上手いなあと思います。ドタバタギャグあり、しんみりとするせつない話ありと何度読んでも面白い作品ですね。
いわゆる青年誌系なので、女の子のパンチラや裸のシーンが頻繁に出るのですが、あまりやらしいと感じません。女性の身体が常識的なプロポーションなのと、あからさまな男性の性的欲求の描写が少ないせいなのかも。描写があってもああ、そんなもんだよねと納得できる範囲というか。あくまでメンタルな面を重視する主人公の考え方にも好感が持てました。青年誌的展開を期待する男性諸氏にはちょっと地味な作品かもですが、女の子でも楽しめると思います。一話完結形式でサブタイトルに必ず色の名前もしくは、~色とついています。タイトル考えるのも大変だったのでは...といらん気を回してしまいました(笑)。

中津賢也 / 少年画報社
少年画報社文庫全7巻/ヤングキングコミックス全12巻
ジャンル:青年・コメディ/好み度:★★★★★