荒野の蒸気娘 あさりよしとお

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化石燃料が枯渇しわずかな燃料は一部の特権階級が独占という状況から世界全体の文化レベルが著しく後退した近未来の世界。
流れ者のジョーはガソリンを盗み売りさばこうとするも発覚し殺されそうになったところを旅の姉妹に助けられる。その姉妹は愛らしい美少女・・という自己設定の人格を持つ蒸気機関ロボットだった。
母を捜す姉妹の妹アリスはジョーをお兄ちゃんと慕い、ジョーは彼女たちが金ヅルになると打算し共に旅をすることになるが。
姉は寡黙な少女、妹は可憐な妹属性の金髪の少女という脳内設定ですが実際は姉は人型ロボット、妹は巨体二足歩行ロボットといった風貌。姉は自分たちの正体を知っていますが妹は自分は呪いをかけられてロボットの姿にされてしまったと思っています。実際女の子の人格ですから本人は違和感なしなんですが側から見れば違和感ありまくり、まなじ巨体なだけにそのギャップはもちろん、悪気はなくとも周囲に結構な影響を及ぼすという展開。厳ついロボット容姿の実際起こっている場面と萌え容姿の脳内補完場面が二次元中継のごとく描写されているところが特徴。
姉妹以外にもロボットが出てきたり彼女たちの母の謎とジョーの立ち位置と展開がわりと早くて退屈しません。
それにしても妹とか眼鏡とかといった男性萌えというものをひねって斜めベクトルな方向にもっていってしまうあたり著者だなあと。そしてちょっと怖いマニアックなフェチの人がいるあたりも(笑)
ブラック気味なドタバタコメディとまじめなシリアス、風刺の効いたギャグの配分が絶妙で、キャラや世界設定は趣があるのですが、ストーリー本筋自体に目新しいものは感じませんでした。

あさりよしとお
ガムコミックス全4巻 / ワニブックス
ジャンル:青年 / 好み度:★★★★★

アリスの設定はハガレンがもとなのかなと思ったり。弟くんとひきあわせたらどういう会話になるかなあと想像してみるという、本来とは別の方向性で作品にニヨニヨしてしまったことをここに懺悔します。