角刈り頭のさすらいの麻雀打ち・通称角刈りすずめが様々な雀荘を巡る物語。・・と麻雀劇画に見せかけたシュールギャグ。
主人公は角刈り・強面・和服とみるからに業界の人のような姿。さすらいの麻雀打ちで雀荘を巡り、麻雀しかない自分が骨を埋めるにふさわしい雀荘を探しているという設定。・・なのは良いのですが、主人公が迷って入る雀荘は奇天烈なところばかりというパターン。
形式を固定化して、主人公が奇妙な雀荘に翻弄される様を一発芸的ギャグ展開で〆るという構成。絵柄は劇画調、登場人物たちはいたって本気、だけど読み手にはギャグそのもの、というノリ。帯にあるとおり、確かに麻雀を全く知らなくても楽しめる内容です。
巨大かつ重量のある牌で打つ雀荘、車を使って牌を動かす雀荘、超全自動な雀荘、孔雀のいる雀荘・・・。とまあよくネタが思いつくなあと。あくまで劇画調のシリアスな絵柄を崩さずコメディを表現しているところがかなりツボでした。劇画の割りに線が整理されていて読みやすいし。幕間の、角刈りすずめの生態ネタもまた面白い。
KICHIJO(一條マサヒデ×菊池昭夫)
完全版 / 近代麻雀コミックス全1巻 / 竹書房
ジャンル:青年・麻雀・ギャグ / 好み度:★★★★★