あさりよしとお短編集 毒入り<錠剤篇> あさりよしとお

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「重箱の隅」「橋の下の住人」「Let's go!うなぎちゃん」「宮本武蔵」「Mahjong&Dragons」を収録した作品集。
「重箱の隅」
コミックスの大半を占めるシリーズ。93~95年ごろのアニメやゲーム・映像の業界の内情を暴露し苦言を呈したエッセイ漫画。2Pで一ネタなのですが内容がものすごく濃い。カールビンソンでもOVAを貶した台詞がありましたがこの実情を知れば確かにそう思うわなあと。正直ここまでとはと唖然とする。
テーマの性質上、ネームがむちゃくちゃ多いですが理路整然としており頭にスッと入るところはさすが。小気味の良いブラックぶりも特徴。
「橋の下の住人」
橋の下に住むおじさん。彼は秘密組織に改造された正義のヒーローだと信じる少年、ホラにしか聞こえず彼に詰め寄る少年の姉。おじさんの言うことは、真実なのかカタリなのか冗談なのか。それは少年が命の危機に瀕したときに・・・。真偽をあいまいにしたオチと人間描写が興味深かったです。
全然関係ないですが、往年の円谷ウルトラマンシリーズで、シビアで社会に確実に存在する差別の描写が出た話があって、やるせない気持ちになったのを思い出しました。
「Let's go!うなぎちゃん」
某美少女戦士のブラックパロディ。サンドウォームに似た容姿、言動総てがブラックなうなぎちゃんと彼女に翻弄されつつツッコミ役のへのへのもへじ顔のあみちゃんのお話。まっくろくろすけ~♪
「宮本武蔵」
歴史ではなく麻雀コメディ。宮本武蔵の生涯と五輪書は麻雀にも使えるのか!ちょっと目から鱗(笑)
「Mahjong&Dragons」
こちらも麻雀コメディ。中世RPG舞台のファンタジー装備を身につけた面々が麻雀でクエストをこなす。色欲が絡むととたんに弱くなるオチが絶妙。

あさりよしとお
リュウコミックス全1巻 / 徳間書店
ジャンル:青年・ブラックユーモア他 / 好み度:★★★★★