ロメオがライバル 秀良子

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主人公はとある理由で引きこもった少年。母が大事にしていたDVDを破損したことから母の怒りを買い、拉致られて連れてこられた先は叔父が経営する牧場だった。更生と母のDVDの弁償を兼ねてその牧場で働くことを余儀なくされる主人公だが、というはじまり。
だらだら暮らしていた少年が、すぐさま追い立てられ尻を叩かれて強制労働・・・とはいかず、グダグダと管を巻き、出された食事のうまさに感動したり馬に舐められたり、その中で同年代の女子にときめいたり、脱走したり・・・ととにかくゆっくりとしたペースで話が進められていく。途中で主人公のひきこもりの理由も明かされ、なんというか・・感受性が高すぎるのかこの子・・とちょっとときめいてしまった(笑)実際に見たら苦笑するしかないタイプだろうが。
主人公も(読者も)見知らぬ牧場の様子、題名にもある主人公を小馬鹿にした態度を見せる馬とその乗り手であるクール系同年代の女子、従業員たちと牧場に飼われている馬たちの個性を描く中で、舞台となる牧場は馬の牧場だということがわかる構成。
主人公の牧場暮らしが主軸だろうがドラマとしては同年代の女子との恋愛も肝なのだろう。著者らしい丁寧な心情描写を満たすにはこれくらいのペースになるだろうなと思う。読み物としてはゆっくりすぎるとは思うが現実味があるよなという感じがしないでもないし、人物と主人公と状況の把握がきっちりできたところが良かった。

秀良子
ビッグコミックス全5巻 / 小学館
ジャンル:青年・青春 / 好み度:★★★★☆