刻待アパートメント 小川彌生 

Amazon
刻待アパートメント をAmazonで見る

洋館・刻待アパートメントに訪れる人々の物語を描くオムニバス。
その洋館の名は刻待館。名前の通り「刻が来る」まで待つ人が滞在するアパート。
なぜそのアパートの前に来たのか、それまでの記憶があやふやな人たちが訪れ、各々のアパートに来るまでの経緯が紐解かれていき、人たちの状況とアパートメントの役割がわかる。
ネタバレになるがいわゆる生と死の間における人間ドラマオムニパス。とはいえ死ぬ人間ばかりでもないあたりが目新しいかも。一話完結形式で、一話ごとの冒頭四ページが印象的。
管理人ではないがアパートメントの古株であろう三つ編みの少女としゃべる狼?が案内人的な立ち位置になっている模様。題材としてはよくある話だが、構成のひねりと人物描写が秀逸で読み応えがある。
お約束としてこの少女自身の話が出るかなあと思っていたのだが、ある伏線が出ただけ。巻表記はないけど続刊があるのかな?一話目の登場人物のその後が最終話になっているのでこれはこれでまとまってはいるが。

小川彌生
KC×ハツキス 1巻 / 講談社
ジャンル:少女・ドラマ / 好み度:★★★★☆