午後11時、きみとふたり他ボーイズラブ3件 


午後11時、きみとふたり(あすかコミックスCL-DX)/ 加東セツコ
表題作は若手社員×三十路上司のリーマンBL。彼氏と別れたばかりの上司は、部下の残業を手伝い、それをきっかけにその部下と親しくなっていく展開。部下は以前から上司を影ながら慕っており、上司は彼氏と別れた原因の自分の性格を部下が褒めたことに心が和む。心情描写もストーリー展開も巧い。最近BL読むと感じる違和感がほぼないというか。キャラ同士のやりとりもモノローグもしっとりしてて好み。絵は等身が高いというか大人っぽい系で作風にぴったり。同時収録は伝わる熱・ふたり窓辺で・君待つ夕べなどを収録。君待つ夕べは頁数的に物語が中途半端な印象だったので続きが読みたいかも。★★★☆☆


ひとつカサの下で (あすかコミックスCL-DX)/ やさき衣真
表題作ほかひとつポッケの中で・恋の悩みを聞いてください・この気持ちどうしよう?・キスの向こう・きみとはここまでを収録したBL短編集。表題作は、主人公が無口で無愛想だけど憧れのバイトの先輩に雨の日に傘に入れて貰ったことから始まるお話。話してみて初めて相手のことがわかる、からの親しくなっていくパターン。初々しい微笑ましいカップル。他作品でも養護教諭と教師、誤解を受けやすいリーマンと笑顔を絶やさないリーマンのすれ違いから始まる話など、微笑ましい系が多めかな。ただ1作品あたりの頁数の少なさに加え無理矢理Hシーンを入れてるので物語のほうがどうしてもおざなりになっている印象も。場面一つ一つの見せ方は巧い。かなり夢見る少女漫画チックだなと思ったがどうもそういうコンセプトだった模様。納得。


初めての失恋(あすかコミックスCL-DX)/高城リョウ
表題作ほか6編の短編連作集。恋愛シチュエーションにおいての「初めて」を主題としている。表題作は、意地悪系イケメン×重度の制服フェチ社会人。大学の演劇部の衣装として後輩から制服を借りに来たイケメン大学生は、制服フェチの後輩の兄に初対面で告白される。自分の外見しか見られない過去の恋愛経験からその相手にも無茶ぶりをするけど甲斐甲斐しく答える相手に惹かれていくがという展開。キャラのやりとりとか展開・構成もソツがない。シャープで美麗な絵柄で技術も高い。のでBL描写も魅せる。