口避け女・ベッドの下の男といった都市伝説の怪物たち。
本当にあるかもしれないと思った瞬間に、噂でしかなかった怪物立ちは現実となり脅威となる。
都市伝説に纏わるトラブルを解決する「寓話探偵」の青年と、相棒である「トイレの花子さん」
、そしてある事件から二人の事務所に加わる女子高生の物語。
都市伝説を主題としたホラーアクションといったところか。有名な都市伝説をモチーフとした
事件エピソードの後、探偵の青年や花子さんの過去や秘密、女子高生自身の話など突っ込んだ話
になっていく。
どの話も人の心の深淵が主題となっているのでやるせなさが残るラストが多めだが
ライトなノリのエピソードもあるにはある。どのエピソードも物語としては良く出来ていると思う。
未来日記より前の作品なので、絵の古めかしさがあるがこっちのほうが話はわかりやすかったかなあ。
話が佳境になっていくとけっこう複雑になっていくけども。
各エピソードの終わりに出るチューリップみたいな造形は物語の肝に繋がっている構成も心憎いかんじ。
余談の余談ですが、ベッドの下の男と試着室の人さらいの都市伝説は、口伝ではなく某漫画家の
同人誌のフリートークから知りました。事実ではなく都市伝説と知ったのは数年後で、
事実だと思い込んでいたのでびっくりした記憶があります。
完全版 花子と寓話のテラー
角川コミックスエース全3巻 / 角川書店
ジャンル:少年漫画・ホラーミステリ / 好み度:★★★☆☆