屍活師 女王の法医学 杜野亜希 

額を解剖する法医学の研究室に配属された医学生の男子はその研究室でマイペースすぎる女性医師と出会う。
彼女は実力のある法医学者であり、ある能力があった。本格法医学ミステリー。
は、本来生きる人間を救う臨床医になりたいのだが
単位不足で希望が叶わず、泣き落としをしようにも研究室の美人准教授には見破られ、
法医学研究室に入ることになる、というはじまり。
医学生男子が、主人公であり物語の狂言回し、美人准教授が物語の主役のようである。
解剖に回された遺体から事件の謎を見破るというミステリとしては王道の構成。
なのだが、そこに死者が死亡直前の光景を二人に見せるというオカルト要素が組み込まれている。
法医学ミステリにこういうオカルト要素を入れるのはいかがなものかとも思うが、
物語におけるオカルト要素の配分はがっつりではないので思ったより気にならなかった。
主要人物に纏わるドラマも組み込まれているがだいぶ定番と言えば定番。
個人的には事件ミステリ要素を読みたい人間なので深くないほうが好み。
花ゆめでもわりと安定したミステリを描く人だったのでこちらでも楽しめる内容だと感じた。

杜野亜希
BE LOVE KC全18巻 / 講談社
ジャンル:女性・ミステリ / 好み度:★★★★☆