A+B ‐エンジェル+ブラッド‐他短文感想 

A+B ‐エンジェル+ブラッド‐(あすかコミックスDX)
阿倍野 ちゃこ
「天使」と呼ばれる外敵と戦う戦闘員の育成を目的とした巨大学園都市が舞台の、角川系でよく見られるファンタジーアクションもの。田舎から学園に編入してきた主人公の二人の男子は「天使」を倒すのではなく「天に帰す」能力を有していた。今時の設定を盛りに盛った物語構成に、画力・表現力が高く読者層に受ける絵柄が見所かと。個人的には物語は正直印象が薄いのだがなぜかキャラクターには魅力を感じた作品だった。絵が綺麗だと思ったのもあるかもしれない。複数巻。

NieA_7 Recycle (角川コミックス・エース)
gK 安倍吉俊
アニメにもなったSFご近所物語的なお話。地球外生命体の移民が衆知された未来の日本。貧乏予備校生の女子と移民階級で最低クラスの少女。二人の主人公の性格や考え方の対比とやりとりが作品の肝の1つ。この同居するふたりを中心とした日常もの、ではあるが現代社会において問題視される主題も盛り込まれており、凡庸ながらそれなりにシビアな日常を生きる描写が印象深い。再発売されて後に漫画版を読んだので個人的には著者の昔の絵ってこんなんやったんや・・という衝撃が強かった。

七日間の婚約者 (ハーレクインコミックス)
楠桂 アン・マカリスター
ヒロインがかつて拒絶された男性は、母親の雇い主。祖母の介護で家を空ける代わりにヒロインは実家に戻ると件の男性がいた。反発しつつも徐々に二人の距離は詰まるがそれから近づけない。そして母が帰宅し二人は再び別れるが、男性側の実家に婚約者として同行して欲しいと頼まれる。積んで崩してな展開、家庭環境と弁護士という職業柄女性不審気味な男性との恋の話。仰々しい文体に芝居がかった展開はHQではいつものことだが、楠桂がロマンスを描くとより芝居仕立てに見えてしまうなあ。物語としてはわりと楽しめた。表題にある本題に入るのが巻半ばという構成が個人的に新鮮ではあった。