火の鳥ならぬ一日の始まりを知らせる鳥は、妻を捜して東日本大震災で被災した場所を巡る。
旅する雄鶏から見た震災後のある時と場所を記した絵日記のような構成の作品集。
鶏から見た景色とその日の出来事を記した日記とその日の食事と人間視点の注釈を記した頁が連なる。
幕間には震災から何ヶ月後かの被災地の状況の情報がきっちり記されている。
風景のスケッチは繊細で緻密。ゆっくりゆっくりと読んだ。
西で暮らしているので状況をほぼ知らなかったのだが
震災から時間と共に変わっていく地域の様子を知ることができる。
主人公の雄鶏の日記の言葉はじんわりと心に染みこんでいく。
こうの史代
ニチブンコミックス2巻 / 日本文芸社
ジャンル:エッセイ・レポート / 好み度:★★★☆☆